バーゼルⅢの最終化

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)のウィリアム・コーエン議長は2016年10月12日にブリュッセルで開かれた欧州議会の会合で、「バーゼルⅢの最終化について」という演題で講演しています。

TLAC保有の自己資本控除既定

BCBSは現地時間の2016年10月12日付で最終規則文書「TLAC保有」(原題:TLAC holdings standard)を公表。この中で次の取扱いを定めています。

  • 国際統一基準行(SIBs、非SIBs)に対して保有するTLACの控除規定を設ける
  • 原則として、TLACも現在のバーゼルⅢ規制における「相互相殺アプローチ」(corresponding deduction approach)に組み込む
  • 他行に対するCET1、AT1、T2以外のTLACを保有しているときには、その金額をTier2から控除する
  • ただし、CET1、AT1、T2以外のTLACについては、T2控除の免除規定を現行よりも調整後CET1の5%分だけ増やす

なお、今回の規則は国際統一基準行に対するものであり、日本の国内行に対する規制動向は不明です。しかし、国内行の場合、株式以外の他行の資本調達手段に対して250%のリスク・ウェイトが適用されており、国内行が保有する「TLAC債」などについても250%のリスク・ウェイトが適用される可能性が高いと考えられます(当社私見)。

この2つのプレス・リリースにつきましては、近日中に当社ウェブサイト上でレポートなどの形で公表したいと考えております。