バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は2016年4月21日付で「銀行勘定における金利リスク」(Interest rate risk in the banking book, IRRBB)に関する基準を公表しています。要点は次の通りです。

●銀行勘定における金利リスクの捕捉は今まで通り、原則として「第2の柱」の枠組みで行うこととする。
●ただし、銀行のIRRBBの管理を強化するために、金利変動による「ΔEVE」(純資産の変動)と「ΔNII」(純金利収益の変動)という二つの軸からのリスク測定を強化する。
●ΔEVEがTier1資本の15%を超える銀行をアウトライヤー銀行と定義する。
●世界的な「超低金利環境」においては、銀行はマイナス金利(negative interest rate)シナリオも織り込むべきである。
●新基準の導入は2018年とする。

また、BCBSは現在の世界的な金利が「歴史的にも低い」という認識の下、IRRBBを「金利環境が正常する過程においては特に重要なものであると考えている」(”the Committee considers IRRBB to be material, particularly at a time when interestrates may normalise from historically low levels”, §4)と位置付けており、将来的にIRRBBが「第1の柱」の枠組みに移行する可能性は完全に排除されたわけではないと見るべきかもしれません。

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